低酸素トレーニングとアンチエイジング

低酸素トレーニングの主な機序は3つでした。①酸素運搬能が上がる(赤血球が増える)②ミトコンドリアでのエネルギー産生が増える③活性酸素除去能が上がる。

今回は特に③活性酸素除去能が上がる、について。

老化の最も大きな原因は活性酸素による“酸化”です。しかし、活性酸素の発生を完全に防ぐことはできません。酸素を使ってエネルギー産生すると2%程度の活性酸素が発生すると言われてます。

ではどうしたら老化を防げるのでしょう?その鍵は“抗酸化物質”にあります。発生した活性酸素を消し去ることのできる様々な抗酸化物質が知られています。食事やサプリメントなどから摂ることのできる、ベーターカロチン、アスタキサンチン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQなどがあります。

ビタミンEやCの数十倍の抗酸力を持ち、40歳頃から急激に減り、現在のところ経口摂取で増やすことが難しいとされているスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)に関する報告です。

https://www.physiology.org/doi/pdf/10.1152/japplphysiol.00359.2005

2006年に発表された研究で、長距離ランナーに6週間低酸素トレーニングを行ったところ通常酸素濃度でトレーニングを行なった場合と比べ、抗酸化物質であるマンガンSOD(Mn-SOD)の遺伝子(mRNA)は44%増加しました。

つまり低酸素トレーニングは、サプリメントや食事など外部から抗酸化物質を取り入れるのではなく、内なる抗酸化物質であるSODを遺伝子レベルで増やすことによってアンチエイジングに貢献することができます。

ちなみに、最も抗酸化効果の高い物質は“水素”であると言われています。巷では一時“水素水”がブームになったりしました。しかし、水素水を飲むことの効果は吸収の点から現在は否定的です。では、直接水素を点滴したり、吸入したりすることはどうなのでしょうか?これらの方法では分子量が小さく拡散性の高い水素は強力な抗酸化効果を発揮すると言われていますが…そのあまりに強い抗酸化効果により、逆に本来持っているSODやビタミンなどの抗酸化物質の能力が衰えることが危惧されています。常に水素投与をできるわけでないため、水素投与してる間はいいのですが、それ以外の時間で“自前の抗酸化物質”が衰えた状況で活性酸素に対抗する力が弱まり、活性酸素による障害が大きくなる可能性もあります。なんだか「行き過ぎた清潔でかえって感染に弱くなる」話と似てませんか?

低酸素トレーニングで地道にアンチエイジングしましょう!

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