肥満症:新しい治療戦略へ。

【血圧が高くなれば降圧薬を飲めばいい。血糖値が高くなれば糖尿病の薬で血糖値を下げれば問題ない。】

私が医学生だった27年以上前はこれが普通の考えでした。そこから四半世紀を過ぎても、あまり変わってません。でも、降圧薬を飲んでもいずれ動脈硬化になり、血糖値を下げてもそのうち糖尿病合併症を起こすことが分かってきました。しかし、どうやって降圧薬や糖尿病薬を使わず人を健康にすることができるのか?多くの医者はここで思考停止し、ひたすら対症療法を追いかけてます。でも、もうそろそろイノベーションが起こってもいいんじゃないでしょうか?本当の意味で病気を治せるはずです。今回は「根治」についての話題を。

肥満者に対して、酸素濃度15%の低酸素でのトレーニングは常酸素下でのトレーニングより優れているか検証しました。
方法:最初に代謝、体組成を評価し、運動能力テストとして、トレッドミルランニングで3分ごとに速度を上げていき、疲労困憊に至るまでの時間を測定しました。
週3回、4週間以上最大酸素摂取時(VO2max)の65%の心拍数を維持して低酸素群(24人)と常酸素群(21人)に分けトレーニングを行ないました。
結果:低酸素群では有意に少ない負荷で心拍数が上昇しました。しかし、両群とも同程度に最大酸素摂取量と疲労困憊までの時間は改善しました。
低酸素群で呼吸商が大きく減っており、脂肪燃焼が増えていることが窺えます。

最近ダイエットで注目されている、空腹時のインスリン濃度とインスリン抵抗性(HOMA index)は両群とも大きく減少しています。この期間での体重や体脂肪の減少はわずかでしたが、体質を変えることにより、今後体重が減っていくと思われます。

低酸素トレーニングは、運動負荷を減らしながらトレーニング効果を出せるので肥満者や整形外科的合併症を持つ人にとって特にメリットがあります。

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