酵素は身体にいい?

巷には「酵素サプリ」「◯◯酵素」「酵素ドリンク」などの商品があふれています。酵素が身体に良いと信じてる人が多いからこういう商品の需要もあるのでしょう。

もちろん酵素は人間が生きていく上で絶対に必要な物です。酵素がなければ一瞬で生命活動は止まってしまいます。

ただ、それとこれとは別。酵素が絶対に必要な物だから、酵素を食べる事が身体にいい、ということにはなりません。

人間の生命活動は止まることのない化学反応で成り立っています。物質を組み合わせて別の物質を作ったり、分解してエネルギーを取り出したり。そしてその化学反応の多くは酵素がなければ進むことができないため、酵素は大事というより、絶対に欠くことのできないものなのです。そこを逆手にとって、「酵素は絶対に必要」→「酵素を食べると健康になる」という論理のすり替えをする人(業者)があとを絶ちません。

酵素の正体は「たんぱく質」です。性質として「至適pH」「至適温度」というものがあり、酵素が働くために適したpH(酸性、アルカリ性)や温度でないとしっかり機能を発揮できません。さらに酵素だけでは働かず「補酵素」「補欠分子族」(ビタミン、ミネラル)などの補因子を必要とします。

なぜ食べる酵素はあまり意味がないのでしょう?

例えば酵素サプリの効果として「酵素は代謝を促進する」という主張があります。しかし、人はたんぱく質をそのまま吸収することはできません。たんぱく質である酵素は胃の中で分解されてから吸収されます。そしてそれが体内で再び元の酵素に合成されることはありません。

百歩譲って酵素に活躍の場があるとすれば、消化管の中くらいしか考えられません。

先ほど書いたように、酵素には働くための条件があります。人間の体温は37度で胃の中はpH2程度の強い酸性です。もちろん人間はその条件に適した、たんぱく質分解酵素を持っています。したがって、せっかく摂った◯◯酵素も機能を発揮する前に分解されてしまう可能性が高いですね。

もちろん、将来的に人間の持つ酵素をしのぐ性能を持った酵素が発明される可能性がないわけではないですが。

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