フォアフットランニングへの道(4)番外編:着地衝撃測定の衝撃その1

2019年末イベントとして、サングラス(JINS MEME)を使った着地衝撃測定会開催しました。

JINS MEMEについてはこちら👇

https://jins-meme.com/ja/products/mt/

参考までに以前、超衝撃吸収走法の南風自転車有森さんが叩き出した驚異の着地衝撃1.9Gはこちら。

https://fitness.sam-mok.co.jp/2019/09/23/landing-impact/

まずは人の衝撃吸収原理を解説します。
走ったり跳んだりすると、地面からの衝撃が伝わる訳ですが、例えば、まっすぐ立ったまま、ある高さから、落とされてかかとで着地すると衝撃を吸収するのは膝の半月板と脊骨の椎間板が主なものです。衝撃吸収装置としての働きは極わずかなので頭まで衝撃は伝わってしまいます。実際は背骨は真っ直ぐに積み重なっているわけではなく、背骨のS字カーブも衝撃吸収に貢献します。(絵を描くのが大変なので省略)

この場合、骨盤より下でほとんど衝撃吸収はできません。そうなると、背骨と背骨の間のクッションである椎間板で衝撃吸収するわけですが、衝撃が強すぎると椎間板の中身が飛び出して、神経に触り激痛を引き起こす、いわゆる「椎間板ヘルニア」になります。また、年齢と共に椎間板が硬くなっていきますので、椎間板による衝撃吸収能も低下して、今度は背骨自体が潰れるということになるかも知れません。

下からの↑は発生した衝撃で、横←は衝撃吸収部位を表しています。

ランニングにおける衝撃吸収は、かかとで体の前に着地した場合、膝関節と股関節が曲げられようとする方向に逆らう力が、関節の外側の筋肉により発生し、衝撃吸収します。しかし、足首を曲げて着地するフォームの場合、膝がロックして真っ直ぐ伸びてしまうので、膝の衝撃吸収力は低下します。
実際に走る場合は靴をはきますので、これにシューズの衝撃吸収力が加わります。

かかと着地における衝撃吸収は膝と股関節が加わります。

フォアフットで体の下に着地する場合は、まず、足底(アーチ )とアキレス腱・ふくらはぎの筋肉が衝撃吸収をして、その後、膝、股関節で衝撃吸収しますので、膝の負担は軽減します。もちろん、膝の負担をゼロにすることはできません。

JINS MEMEは6軸の加速度・ジャイロ(回転)センサーを使って体の動きを測定します。例えば衝撃に関しては、地面から受けた衝撃が体で吸収されていって、吸収しきれず頭部に伝わった衝撃を測定しているということになります。

本来、衝撃吸収力を比較するのであれば、受ける衝撃を同じにするか、受ける衝撃そのもの測定しないと正確な値にはなりません。衝撃を同じにするのはかなり難しく、受ける衝撃を測定するためには、シューズに加速度計をつければ測定可能かと思われます。某社で足首に加速度計をつけて測っていますが、JINS MEMEと併用すると、どこで衝撃吸収しているかわかるので面白そうですね。

今回の測定結果で、例えば衝撃が大きかったとすると「受けた着地衝撃が大きかった」か「着地衝撃をほとんど吸収せずに上まで伝わった」のどちらか、あるいは両方ということになります。今回は、走行速度を同じにして比較していますが、シューズ、体重などの因子で補正する必要があるため、衝撃吸収力を正確に反映するものではないことをお断りします。

では、SAMスタッフ3人の着地衝撃データーから。被験者は、①ウルトラマラソンランキング世界3位、藤澤舞トレーナー。○4歳にしてフルマラソンなどの自己ベストを更新し続けるという驚異の遅咲きランナー。②SAM代表紅露。一年に一回しか走らないフルマラソンはいつもギリギリ4時間で完走。心肺能力の衰えをカバーするためにSAMに低酸素室を作るが、忙しくてあまり低酸素トレーニングできず。100歳でフルマラソン完走を目指し、怪我なく走り続けるため、フォアフットランニングを取り入れ、数年かけてようやく習得。③短距離スペシャリスト飯田トレーナー。100m10秒台の高速ランナー。最近必要に迫られ苦手な長距離に参戦。レッスンの合間に低酸素で走ってるのでキロ4分でも呼吸が乱れない。まだハーフまでしか走ってないが、スピードを生かしフルマラソン・サブスリーは確実か?

測定条件はキロ5分、5分30秒、4分のスピードでそれぞれ1分間走り測定。左右の着地衝撃の平均を比較しています。単位は(G)です。グラフ左から藤澤、紅露、飯田で、それぞれ左からキロ5分、5分30秒、4分です。

飯田トレーナーは「地面からの反発力を受けながら走る」という短距離に特化したランニングフォームなので、今回の被験者のなかで唯一の3G超え。まったく速く走っているように見えないけど速い不思議なフォーム。
キロ4分は余裕の藤澤舞トレーナーと、ほぼ全力疾走を超えている紅露の着地衝撃が同じなのは意外。かかと着地とフォアフットの差だと思われます。今回は1分だけのデーターなので、長時間測定すると差が出ることが予想されます。

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