SAMがランニング効率を追求するわけ
かつてアテネオリンピック金メダリスト野口みずきさんが「走った距離は裏切らない」という名言を残しました。確かにマラソンはある程度練習量がものを言うスポーツです。この言葉に勇気をもらったランナーさんも大勢いることでしょう。過走行ランナーさんは後を絶ちません。
しかし、この言葉、誰にも当てはまる言葉でしょうか?オリンピックで金メダルを取ったトップアスリートでさえ一度の金メダルで終わったわけです。(もちろんそれだけでも偉大なことですが。)もちろん御自身が、数年間で結果を出せればその後走れなくなってもいいと考えているのなら、それはその人の選択なので構わないです。
なぜ裏切られるのか…一番大きな要因は
膝です。
膝関節は構造上最も不安定な関節であり、しかも衝撃吸収に果たす役割は大きく、膝関節内の半月板と周囲の腱、筋肉を使って衝撃を吸収します。
しかし、半月板や関節面は強い外力が加わったり、弱い力が連続で何度も繰り返し加わると傷んでしまいます。そして一度損傷した半月板や関節面の軟骨を元どおりに戻すことは現時点では難しいと言われています。しかし再生医療の重要なテーマでもありますので、将来的にはきっと元どおりに戻せるようになるでしょう。それが数年先なのか数十年先なのかは予測がつきません。それまでは、しっかり膝をはじめとする関節を守って行くことが長く走り続けるために必要です。
SAMでは多くのランナーさんの弱点になり得る膝を大切に使って頂くために「フォアフットランニング」で着地衝撃を減らし、「スクワット」などで膝関節の安定性と衝撃吸収能力を高め、「低酸素トレーニング」でゆっくり走りながら心肺能力を鍛え、「体幹トレーニング」で上体の安定性を保つことで脚の負荷を減らす、などの高効率トレーニングをお勧めしています。
また、残念ながら膝などを傷めてしまった方に関しては、できるだけ早期に専門の優秀なドクターを紹介しています。SAMの会員さん以外には紹介しません、なんてケチなことは言いません。どなたであろうと、その時点でベストであると思われるドクターを紹介するために日々情報収拾は欠かしません。お気軽にお声かけください。
もちろん、どう頑張ったって故障ゼロにはなりません。でも、減らすことぐらいはできるんじゃないでしょうか?一人でもケガのために走れなくなってしまうランナーさんが減ることを願っています。そのためには、「効率の追求」は不可欠と考えます。