「サウナで治らない病はない」〜フィンランドのことわざ〜(1)

※この文章は、北海道医師会の広報誌である『北海道医報』に掲載された文章を加筆修正したものです。

世の中は第3次サウナブームらしい。相対的サウナ施設不足によりサウナ難民がサウナを求めさまよっているとか。

半世紀ほど前『あしたのジョー』というボクシング漫画に子供から大人まで多くの人が熱狂した。もちろん私もそのひとり。
主人公矢吹丈と同じ階級で対戦するため、ライバル力石徹は壮絶な減量に挑み、サウナで最後の一滴まで汗を絞り出す姿には鬼気迫るものがあった。ちなみにこの時、力石が入っていたサウナにひしゃくのような物が描かれており、フィンランド サウナで極限まで体感温度を高めるためロウリュをしていた可能性がある。

第3次サウナブームの夜明け前の2010年頃、私は某スポーツジム内サウナの常連だった。ちなみに私は30代から進行性のメタボリック症候群を発症し、40才手前にダイエット目的で始めたランニングで20kgの減量に成功し、高かった血圧と血糖値は正常化、ランナーとなった。

時に30℃を超えることもある日本で唯一の真夏のマラソン大会、北海道マラソンの暑さ対策として、私はサウナで耐暑トレーニングをしていた。100℃に迫る灼熱のサウナ室の中、力石を思い浮かべながら限界まで耐え、その後水温15℃の水風呂で呼気が冷たくなって中枢温が下がったのを確認し、給水後再び汗だくオヤジたちが待つ闘技場へ舞い戻る。当時の私にとってサウナは耐暑トレーニングという名の闘いであり、水風呂の気持ちよさは感じていたものの、サウナの偉大な効能を知り得なかったのは、ある「大事なもの」が欠けていたためであり、涅槃の境地にたどり着くまで5年の歳月を要することになる。

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