『足は、人間工学上の最高の傑作であり,また最高の芸術作品である。』 レオナルド・ダ・ヴィンチ
“足”と言っても股関節から下の脚ではなく、足首から先の“足”のことですが、ほんの僅か(片足が体表面積の1%)の部分にも関わらず、体全体の1/4の数を占める両足52個の骨、腱、靭帯が多くの関節をなし、複雑な機能を果たすため、レオナルド・ダ・ヴィンチはこのように表現したのでしょう。
さて、その芸術作品も、人間が靴を履くようになってからドンドン退化し、足を使えなくなっている人が増えているということです。
2010年、ハーバード大学のLieberman博士がNature誌において、前足着地とかかと着地ランナーの着地衝撃を測定し「クッションの効いたランニングシューズを履いてかかと着地をするランナーの着地衝撃は、裸足あるいは最低限のクッション性のシューズで前足着地するランナーよりも大きく、これが現在多くのランナーに起こっている脚の障害の原因となっている」と報告しています。
https://scholar.harvard.edu/files/dlieberman/files/2010a.pdf
クッション性が優れていても、かかと着地をしていては脚を守れないことになります。しかし、10年前のデーターであり、現在流行の“厚底シューズ”でどのような結果が出るのか興味あるところです。「厚底シューズで前足着地するのが一番脚に優しい!」となるのか?
前足着地は、ただ前足で着地すればいい、というものではありません。解剖を理解し、筋肉、腱の働きを理解しながら習得していかないと怪我に繋がる可能性があります。
「今大丈夫だからずっと大丈夫」ではありません。かかと着地でガンガン走ってるランナーの関節は日々削られているかも知れませんよ。