https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19158228
高タンパク食は高炭水化物食に比べ、短期的には体重を減らすことは知られていますが、長期の効果は未知です。この研究では成人の肥満者130人を2群に分け、体重と体組成、血中脂質を4ヶ月後だけではなく1年後の継続性も比較しています。
方法:両群とも1日当たり500kcal減らした食事に制限しています。マイルド高タンパク群(PRO)は1日当たり1.6g/kgのタンパク摂取量(体重60kgだと96g)、炭水化物は1日170g以下です。高炭水化物群(CHO)は1日当たり0.8g/kgのタンパク質(体重60kgだと48g)、炭水化物は1日220g以上となります。
結果:4ヶ月後、高タンパク群は体脂肪が5.6kg減り、高炭水化物群は4.6kgの減少でした。 しかし、体重はそれぞれ8.2kgと7.0kgの減少で有意な差がありませんでした。12ヶ月後、研究を最後まで終えたのは高タンパク群64%、高炭水化物群45%で、体組成は高タンパク群の方が改善しましたが、体重は両群に差がありませんでした。10%以上の減量達成した人の割合は高タンパク群31%、高炭水化物群21%でした。
4ヶ月の時点でLDLコレステロール値は高炭水化物群の方が低下していましたが、12ヶ月後までは続きませんでした。高タンパク群は中性脂肪、HDLコレステロール値、中性脂肪/HDLコレステロール値は4ヶ月および12ヶ月で良好でした。
結論:マイルドな高プロテインダイエットは高炭水化物食に比べ、体脂肪率を減らし、初期の体重減少と長期に渡って中性脂肪を減らし、HDLコレステロール値を増やす効果があります。
この研究以外でも高タンパク食がダイエットに良いというデーターはたくさん出てます。機序としてはタンパク質は食事産生性熱産生が多く、空腹感が少ないので無駄に間食をしてしまうことが少なくなるためと考えられています。