有酸素運動はインスリンを出さずに血糖値を下げる。
「ランニングでは痩せない」と主張する某有名ユーチューバーの発言に「?」と感じてる人は多いと思います。
この研究の目的は、長期にわたるカロリー制限と有酸素運動が、血糖値コントロールやインスリン作用におよぼす影響を調べることです。
研究対象は、カロリー制限群、ランナー群、コントロール群の3群です。カロリー制限は平均7年に渡り厳格にカロリーを制限しています。ランナーは週平均30km走り、平均21年ランニングを続けています。コントロール群としては通常の西洋式の食事を摂り、運動をしていない人を選びました。
これらの被験者に75 gのブドウ糖負荷試験を行い、血液検査を行いました。
結果として、ランナー群はインスリン分泌が少ないけれど血糖値は低く保たれ、カロリー制限群ではインスリン分泌は少ないけれども血糖値は対照群と同様に上がってしまいました。
現在、インスリンは肥満ホルモンであり、インスリンが大量に分泌されることが肥満や糖尿病などの疾患の原因になると考えられており、血糖値を低く抑えるだけではなく、インスリン分泌も抑えるのが予防医学の目的の一つになっています。
有酸素運動では痩せないという「エネルギーバランスモデル」に基づいた考えは否定されました。実際ランニングで痩せた人は山ほどいますしね。
有酸素運動はインスリンを効きやすくして血糖値を下げる。ランニングはインスリン分泌が減るので痩せる。