JINS MEME(ミーム)を使った着地衝撃測定実験です。サングラスをかけるだけで着地衝撃を測定できる画期的なデバイスを使い、今回はシューズを変えて着地衝撃がどう変わるか検証しました。この場合の着地衝撃とは「着地により発生し、シューズと体で吸収しきれず頭部まで伝わった衝撃」ということになります。シューズが着地衝撃吸収にどの程度貢献するか測定することが目的ですが、実際はシューズを変えることによって走り方自体が変わってしまうので、単純にシューズの性能の差と考えることはできません。そこら辺を頭に入れながらシューズ選びや走り方の参考にしていただければと思います。
使用機材は①アディゼロSEN3②ナイキ ズームフライ1③ビブラムファイブフィンガーズ V-RUN です。アディゼロSENはサブスリーランナー用の薄底レーシングシューズです。ズームフライはナイキが厚底に転換し始めた割と初期のモデルです。ビブラムファイブフィンガーズはいわゆる裸足感覚シューズで、クッション性はほとんどありません。
測定方法は、それぞれのシューズで1分間、左右の着地衝撃の平均値を測ります。スピードはキロ5分(時速12キロ)とキロ6分(時速10キロ)です。着地衝撃の単位は(G)です。
結果のグラフです。
ビブラムファイブフィンガーズは、ほとんどシューズによる衝撃吸収ができませんので、頭部に伝わる衝撃が大きいのは予想通りです。意外なのは厚底でシューズでかなり衝撃吸収することが予想されたズームフライが、薄底のアディゼロSENよりも衝撃吸収が少ない(頭部に伝わる衝撃が大きい)ことです。これは、私がズームフライの特徴に合った走り方をできていないためと考えられます。
今回はキロ6分から測定を始めて、アディゼロ→ズームフライ→ファイブフィンガーズの順番で測りました。1分走ってから靴を履き替えるわけですが、アディゼロからズームフライへ履き替えた時の違和感がすごかったです。立ってるだけで膝が前に出て行きそうな感じがしました。そして走り出したら、どこで着地してるのかが全く分からないので、タイミングがうまく掴めない感じです。おそらく、ランニングフォーム自体も変わってしまうのではないかと。逆に、シューズに適したランニングフォームを身につけられなければ、シューズの性能を発揮することができないと感じました。
もちろんこれはほんの1分間のランニングなので、長距離を走った時にシューズの衝撃吸収性能がどう影響してくるのかはまだまだ検討の余地があります。
自分の脚を使って着地衝撃を吸収することが最も大事で、さらにシューズの特性に合わせて、シューズと脚の着地衝撃吸収能力を最大限に発揮するランニングフォームを見つける必要があります。