国連は、世界各国、地域の幸福度を示す「世界幸福度ランキング」を毎年発表しています。毎年発表していますが、これはその年のランキングではなく、過去3年間の平均で決まります。
結果は4年連続でフィンランドが1位でした。ちなみに日本は56位で、アジアの中では台湾(24位)、シンガポール(32位)、タイ(54位)につぐ4番目でした。
今回は、そんな幸福度ナンバーワンのフィンランドから2009年に発表された画期的論文をご紹介します。


https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0808949
「健康成人にも、機能的褐色脂肪組織があった」ということです。つまり、これまで、新生児の体温維持に必要な褐色脂肪細胞は、成人に達するまでに無くなってしまうと信じられていました。そこで今回、成人に寒冷刺激を与えることにより、鎖骨の上にブドウ糖の取り込みが15倍に増える脂肪組織を発見し、これが褐色脂肪細胞であることを証明しました。
そして、この褐色脂肪細胞は熱産生組織であり、これが活性化することでエネルギー消費が高まるため、ダイエット成功の鍵になるかも。
この実験でもおこなわれた通り、褐色脂肪細胞活性化は「寒冷刺激」によって起こります。そういえば、日本でも冬の寒い中「寒稽古」や「寒中水泳」を行うと健康に過ごせることが知られていました。褐色脂肪細胞が活性化し、熱産生が増え、体温が上がることを経験的に知っていたのかも知れません。