https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26189608
痩せたいけどキツイ運動はしたくない…
阪南大学からの報告で、「低い強度の運動でも、やり方によっては脂肪燃焼効果を高めることができますよ」という、とても魅力的な研究です。時間のない人は下の結論だけ読んでいただければ十分です。
7人の健康な男性が対象です。それぞれ4つのトライアルを行いました。全てのトライアルの1時間前に、お湯(W)かコーヒー(C)を飲み、エアロバイクを最大酸素摂取量の40%の強度でこぎます。30分エアロバイクをこぎますが、30分を一度にこぐ(S)場合と10分を3回に分けて(その間10分の休憩を挟む)こぐ(R)パターンの組み合わせでWS、WR、CS、CRの四つがあります。コーヒーに含まれるカフェインは体重1kg当たり5mgです。
コーヒーを飲むとお湯に比べて運動後90分の時点での酸素摂取量が上がりました。 コーヒーを飲むと呼吸交換比(*)は運動後下がり、脂肪燃焼が増加していることがわかります。
(*)呼吸交換比;古くは呼吸商と呼ばれていましたが、呼吸による[二酸化炭素排出量]を[酸素消費量]で割ると出る値のことです。体の中で糖質、タンパク質、脂質がエネルギー基質として使われているのですが、この値が大きいと糖質が使われる割合が高く、小さいと脂肪が使われている指標となります。
コーヒーを飲み、休憩を挟んでエアロバイクをこいだ場合はお湯を飲んだ群に比べて運動後30分の時点で呼吸交換比は下がり脂肪燃焼効率が上がったことがわかります。
結論。運動1時間前にコーヒーを飲み、休憩を挟んで低強度の運動をすると、運動後の脂肪燃焼が増えることがわかりました。
コーヒーに脂肪燃焼効果があることは古くから知られています。
肥満の人、普段運動していない人にとって最初から高い運動強度は難しいです。ゆるく始めることが大事。始めなければ何も始まりません。そして色々工夫して脂肪燃焼効率を上げて徐々に運動強度を高めて行くのがいいでしょう。