そろそろコロナ禍も終わりに近づき、各地でマラソン大会が再開してきました。
さて、前回は「エンドルフィン」という脳内麻薬が、人をランニングに惹きつけるという話をしました。
今回は
「人がランニングにハマるのはドーパミンのせいだった」説をご紹介します。
驚くべきことに、われわれ現代人の遺伝子は狩猟採集生活をしていた原始人のころと大きく変わってはいないそうです。しかし、様々な発明により生活は便利になり、ほとんど身体を使わなくても生活していけるようになりました。そのため、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が多発していると考えられています。
狩猟採集生活をしていたころは、狩りをして獲物を獲らなければ生き延びることは出来ませんでした。しかし、他の動物に比べそれほど瞬発力がない人間が獲物を捕まえるために、じっくり追い込んでいって、相手が疲れたところを仕留めるという方法で狩りをしていたのではないかと言われています。そのための遺伝子は今も受け継がれ、人はマラソンにハマるのではないかと考えられています。
長距離走は太古の人々にとっても苦痛だったはずです。でも、獲物を捕るためには走らなければならない。そこで、遺伝子に「ご褒美」を組み込みました。その一つが「ドーパミン」という脳内伝達物質です。ドーパミンはモチベーションの素とも言われる快楽物質であり、ドーパミン欲しさに、辛いランニングにも耐えられるようになります。それが、ランニングにハマる理由の一つです。
このように、狩りのためのガソリンであったドーパミンですが、現代社会において、無理して走らなくても、お金さえ出せば簡単にドーパミンを出すことができるようになってしまいました。それが、タバコ、お酒、ギャンブルなどのさまざまな依存症に繋がる娯楽です。
それらの娯楽によって分泌されるドーパミンは、どんどん耐性ができ、同じ量では効果がなくなり、量が増えて行くことが多いです。もちろん、お金もかかるので自制すれば一定のレベルに落ち着きます。しかし、ドーパミンを追い求め過ぎ、中毒や依存症に至り、破滅の道に進む人も少なからずいます。
もしあなたが、タバコ、お酒、ギャンブルなどとなかなか縁を切れず苦しんでいるなら、それほどお金もかからず、健康が得られるランニングにハマるのも一つの手ですよ。