母趾球を着いた後、ほとんどの方は踵を着きます。もちろん、踵を地面に着けずに走ることもできますが、足首に強烈な負荷がかかるので一般ランナーには難しいです。
母趾球が地面に着くと、足首を曲げる方向(背屈といいます)に力がかかります。そうすると、かかとをまたぐアキレス腱・ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋、腓腹筋)が衝撃を吸収しつつ引き伸ばされ、それに対して反射が起こり、ふくらはぎの筋肉の収縮が起こると、足首は伸びて(底屈といいます)前に進むエネルギーを得られます。
大事なのは、この推進力が「反射」で得られるということです。
反射(脊髄反射)のメリットは「速い」ことです。
筋肉が「強く引き伸ばされる」と、もしかしたら「切れてしまうかも知れない」可能性があり、危機を感じつつも自分で判断できない筋肉は「伸ばされちゃってます!」という情報を神経を使って発信し、判断を仰ぎます。通常は脳まで情報伝達し、適切な処置を考えてもらうのですが、そんな悠長なことやってたら間に合わない(切れてしまう)かも知れないと脊髄が判断し、情報を脳まで伝えることをせず、「縮めろ」という命令を発信し筋肉は素早く収縮するわけです。これを伸張反射と言います。
もちろん、ゆっくりのジョギングではこの反射は起こりません。
この反射による筋収縮を走りに利用することでスピードアップが図れるし、速いランナーは無意識のうちにこの反射を使っているのでしょう。