https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5517449/
低酸素トレーニングのイメージで最初に来るのは「危険」。確かに病院で患者さんのヘモグロビン酸素飽和度(SpO2)が90%切るとドキドキします。もちろんこれは90%切る理由(呼吸停止とか)にドキドキするわけで、低酸素トレーニングは酸素濃度低いんだから下がって当たり前で、SpO2=80%でもあまり症状がないことが分かるとあまり気にならなくなります。もちろん、調子悪くなったら部屋から出れば済みます。
というわけで、今回は「低酸素トレーニングは合併症のある高齢者のリハビリに使うと身体的な負荷が少なくていいよ」という論文です。
65才以上の合併症をもった高齢者40人が3週間の研究に参加しました。低酸素群と通常酸素群に分けて、本人にはどちらになったかは伝えません。低酸素群は15.27%の酸素濃度で、30分のセッションを7回行いました。トレーニングはピーク酸素摂取量の80%の心拍数を目指しました。トレーニング効果の判定のために、トレーニング前後で(1)自転車エルゴメーターでピーク酸素摂取量(2)心臓エコーで「駆出率」(簡単に言うと心臓の動きがいいかどうか)を測定しました。
結論としては
「低酸素トレーニングは身体的に不安のある高齢者に優しいトレーニングである」
ことがわかりました。脚の負担を軽くしながら心肺に負荷をかけることが可能な低酸素トレーニングですが、それ以外に細胞内で変化が生じ、細胞から強くすることができます。