私の知り合いが、市内の某ジムで低酸素トレーニングの子供会員を募集しているというのを見て、中学生陸上部の娘さんに低酸素トレーニングさせたいんだけど、どうだろうと相談されました。
あの…本気ですか?
スポーツの指導者の中には子供の発達について全く知識のない方が多いのは事実。有名どころでは、甲子園出場のかかった試合に超高校級のピッチャーを登板させなかった監督に対して「子供は投げさせなきゃいかん」という趣旨の発言をして炎上させた野球解説者とか。
脱線しました。低酸素トレーニングはジュニアアスリートに安全に行えるのか?ですね。探してみましたが、そのような科学論文は見つかりませんでした。(時間をかけて探せばあるかも知れません)
というわけで、ここからは科学的知見に基づいた私の勝手な推測です。
子供の低酸素トレーニングは絶対にすべきではない!
おそらく、子供にも安全に低酸素トレーニングはできて、効果は上がるでしょう。やりたくなる気持ちはわかります。どうせやるなら少しでも上を目指したいですよね。それに低酸素トレーニングは、もしかしたら大人より効果が出るかも知れません。
だから問題なんです。
分かりますか?効果が出るということは、早く走れてしまうということです。長く走れるようになってしまうということです。きついトレーニングに耐えられるようになってしまうということです。そうなるとさらに上を目指して練習したくなります。無茶なトレーニングが無茶ではなくなります。
でも、発達段階の子供のからだ、特に骨、関節は悲鳴をあげます。将来有望な選手を潰してしまうことになりかねません。その指導者にとっては、その子供は自分の名声のための道具に過ぎないかも知れません。そのジムにとっては単なる金づるでしかないかも知れません。でも大事な人生を浅はかな知識と大人の都合で潰してしまうことだけは許されることではありません。
子供たちへ 未来はもっと向こうにある 焦るな 勝負はまだまだ先だ
ちなみに、睡眠障害や肥満治療としての子供へのマイルドな低酸素トレーニングは有望なようです。