平均寿命が60代であった頃は、膝関節も寿命までなんとか使える状態で天寿をまっとうする人が多かったと思われます。しかし寿命が延びるにつれ、最後まで膝関節はもたず、治療を受ける人が増えます。治療も関節内注射から始まり、内視鏡手術、人工関節置換に進むケースが増えつつあります。
現時点では膝の損傷は外傷を除いて、運動不足や過体重が原因となることが多いです。一方、運動のし過ぎや誤った方法により膝を壊してしまう人も少なからずいらっしゃいます。
特にランニング人口の増加に伴い膝の故障を抱えるランナーが増えています。
年に何回かランナーさんが膝の手術受けるのをみます。
最初は健康のため、あるいはダイエットのために走り始めた人も、ランニングの魅力にハマり、より長く、より速く走るようになり、「走った距離は裏切らない」などの名言につられ、どんどんトレーニング負荷は強くなりがちです。ランナーさんは、とにかく走りたがります。チームで集まり、一人ではできないようなトレーニングをします。あるいはSNSでランニングレポートを上げて、お互いのモチベーションを刺激しながら上を目指します。
関節は消耗品です。関節を滑らかに動かす軟骨は一度損傷すると元通りには戻りません。(現時点では)もちろんある程度休めば痛みは取れます。でも、劣化は確実に進んでいきます。
せっかく健康のために始めたランニングのせいで手術を受けるようなことになっては本末転倒ではないでしょうか?プロじゃないんだから。
SAMにもたくさんのランナーさんが通ってくださってます。できれば会員の皆さんには怪我なくランナー人生をまっとうして欲しいと願ってます。
そのためにできることは何か?
走行制限
もちろん、「走るの止めろ!」と言うわけではありません。怪我をする前に、走るトレーニングの一部を走らないトレーニング、あるいは関節に負担の少ないランニングに
置き替える
のが有効です。
また、何度もこのブログで紹介しているように、関節にかかる衝撃の少ないランニングフォームを身につけることも大事です。(一番下にリンク貼っておきます)
そのために、2019年より低酸素トレーニングを開始し、強度(速度)を落としても効果が上がる練習ができるようにしました。(これも下にリンク有り)
さらに膝、股関節などへの重力負荷を減らしつつ全身および心肺のトレーニングができるローイングマシンを導入しました。もちろん、これも負荷ゼロではないので、やり過ぎれば故障する可能性あるので要注意。
どうかこれらのトレーニングを活用し、消耗品である関節を大切にしてあげてください。